家族の距離感
一般的には大学進学か就職の時に実家を出る。
だが私はそのどちらでもなく、正式な話し合いもないまま家を飛び出た。
大学3年の10月にだ。
我慢の限界がきたとか言うと家庭環境のせいにしてたのがモロバレだから、
”挑戦したかった”とか言ってかっこつける。
実際のところ、知りたかったのだ。本当の自分を、親の期待を脱ぎ捨てた自分を。
一人暮らしを始めて露呈したことと言えば、
意外と料理が好き、一日中音がないと暮らせない、踊ることがストレス発散になる、意外にホスピタリティがある、寂しがり屋、自分の事を知らない、後輩とも仲良くやれる、けっこう雑、自分のスキがちゃんとある、etc
でもやっぱり母とは週1で会っちゃうし、すぐ父に意見求めちゃう。
興味はコロコロ変わるし一日中家から出ないとかザラ。
お手本がないと不安だし、論理的思考が苦手。
時代52号を読んだ。出て行く前のあの家はたしかに密室だったし、”母親の好きを詰め込んだ”私が見事に一丁上がってたと思う。
でももう嘆いても遅い。私は”両親のバランスを保つためのお嬢”をこの足で、錆びたチャリとぼろぼろのライダースをお供に離脱したのだ。
今は「批評」の練習中、やっと母のことを(私を育てあげた)一人の女として見れるようになったし、父を仕事と静岡が大好きな一人のおじさんとして見れるようになった。なぜ母と結婚したのかはまだ聞けてない。
さあ、振り返りはやめにして将来の話をしよう。